沖縄サミット記念二千円札と雛人形の関係 
 
二千年と沖縄サミットを記念して二千円札が誕生しました。 二千円札には沖縄の守礼門と源氏物語絵巻、その物語の作者である紫式部が描かれています。 自然の存在を神と崇めてきた沖縄の人々と雛人形の関係には、相通じるところがあります。 なぜなら、雛祭りは、自然と人間の関係から誕生してきたからです。二十世紀になり人間は自然に対し奢り高ぶるようになりました。 しかしながら、日本では、阪神淡路大震災、世界的には温暖化現象、オゾン層の破壊などの問題に直面し、自然に生かされていることを改めて認識し、襟を正さなければならないと考えるようになってきました。 その現われとして沖縄サミットでは、IT革命が、取り沙汰されたのではないでしょうか。 文明の発展と共に過剰消費が進み贅沢を得た我々は、適正消費の生活に戻りにくい経済状態とライフワークになっています。 その中でも、特に、紙の消費量は、天文学的な勢いで二十世紀に増え続け、今なお価格破壊を肥やしに増加しています。 そうした過剰消費を食い止めるために、インターネットなどのIT革命が急務とされているのではないでしょうか。 しかしながら、紙に依存した生活に慣れた人類が、紙の生活から脱皮することは大変難しいことです。 沖縄サミットは、その橋渡しの役割として、世界ナンバーワンの美しい海を持つ沖縄を会場にすることによって、世界に自然のパワーを持って、強烈に訴えかけようとしたのではないでしょうか。 沖縄の透明度のある海は想像を絶する美しさがあります。 また、そこで泳ぐ魚達と珊瑚礁の鮮やかな色は、見る人に感動を与えます。 それは、まさに、自然美の傑作です。   
高度成長期に自然破壊を続けてきた工業国日本、今、その責任を感じ世界第一級の自然環境保護国を目指し頑張っています。 この日本の中で沖縄の人々は、世界に誇る青(海)を守り受け継がれてこられました。 第二次世界大戦で不幸な歴史を背負われた沖縄であるにもかかわらず、訪れた人々が出会うのは明るく心豊かな人々と大らかな風土ではないでしょうか。 その源は、やはり沖縄の人々が守ってこられた自然のパワーであると思います。 日本の中で一番平均寿命が長いのも、食生活よりもむしろ沖縄の自然のパワーからくる心の豊かさにあると思います。 そして、この沖縄を象徴する守礼門と、人間と自然の関係から誕生した雛祭りの象徴とも言える紫式部を二千円札に描き記念紙幣とされたことは、日本の紙幣史上後世に残る傑作と言えるのではないでしょうか。                    
記念紙幣二千円札を眺め、雛人形の二千三百年の歴史を振り返り、その誕生が、世界の直面している人間と自然との関係に大いに関わりがある不思議を感じないわけにいきません。  
話は変わりますが、京都府宇治市は、紫式部源氏物語の町です。 宇治市は、日本で流通されているお金、全十種類の内、ニ種類に関係があります。 それは、宇治の平等院が刻まれた十円玉とこの項で取り上げた二千円札です。 全国に約三千四百市町村がある中で、二種類もこの町の歴史に関係があるお金が流通しているのです。 そのことは、日本の文化を代表する特別な町であることを物語っています。 
別の事柄になりますが、現在、不思議なことに全国のどこにも、雛人形発祥の地なる場所がありません。雛人形二千三百年時空の旅の中では、紫式部は、流し雛を誕生させた人物であると考えています。 そのことから、源氏物語の町が雛人形発祥の地であると考えても良いのではないでしょうか。 世界最古の文学と世界最古の女性文化の誕生の地として、多くの人々が訪れる町になってほしいと思います。 そして、世界で最も美しい海を持つ沖縄が、自然と人間の関係から生まれてきた雛人形のコンセプトとして、中国の紹興市会稽山陰の蘭亭が雛人形のルーツとして、源氏物語の町、宇治市が、雛人形の発祥地として、三都市が、雛人形を語る文化交流の場所として結ばれることを願いたいものです。
そのことは、自然環境に最もやさしい観光産業に雛人形が一役を担うことにもなります。
 
  
自然美の傑作 沖縄      曲水の宴発祥地 中国  現在も受け継がれる雛人形

(2000年沖縄サミット記念二千円札見本)