2000年と沖縄サミットを記念して二千円札が誕生しました。二千円札には沖縄の守礼門と源氏物語絵巻、その物語の作者である紫式部が描かれています。自然の存在を神と崇めてきた沖縄の人々と雛人形の関係には、相通じるところがあります。なぜなら、雛祭りは自然と人間の関係から誕生してきたからです。沖縄の透明度のある海は想像を絶する美しさがあります。また、そこで泳ぐ魚達と珊瑚礁の鮮やかな色は見る人に感動を与えます。それは自然美の傑作にほかありません。
高度成長期に自然破壊を続けてきた工業国日本、今、その責任を感じ世界第一級の自然環境保護国を目指し頑張っています。この日本の中で沖縄の人々は、世界に誇る青(海)を守り受け継がれてこられました。第二次世界大戦で不幸な歴史を背負われた沖縄であるにもかかわらず、訪れた人々が出会うのは明るく心豊かな人々と大らかな風土ではないでしょうか。その源は、やはり沖縄の人々が守ってこられた自然のパワーであると思います。日本の中で一番平均寿命が長いのも、食生活よりもむしろ沖縄の自然のパワーからくる心の豊かさにあると思います。
記念紙幣二千円札を眺め、雛人形の2300年の歴史を振り返り、その誕生が、世界の直面している人間と自然との関係に大いに関わりがある不思議を感じないわけにいきません。
京都府宇治市は、二千円札に描かれた紫式部源氏物語の町です。宇治市は、日本で流通されているお金、全十種類の内二種類に関係があります。それは、宇治の平等院が刻まれた十円玉とこの頁で取り上げた弐千円札です。全国に約三千四百市町村がある中で、二種類もこの町の歴史に関係のあるお金が流通しているのです。そのことは、日本の文化を代表する特別な町であることを物語っています。
雛人形二千三百年時空の旅の中では、紫式部は流し雛を誕生させた人物であると考えています。そのことから源氏物語の町宇治市は世界最古の女性文学誕生の地であると同時に世界最古の女性文化誕生の地であるということになります。 |
沖縄の世界に誇る青
曲水の宴発祥の地 中国 |
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2000年沖縄サミット記念二千円札 |
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