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ドールコーディネーター
平 安 春 峰
歓喜(かんき)ブランドのシンボルマークその由来
平成元年に歓喜(かんき)ブランドは、生まれました。
同時に、そのシンボルマークとして歓喜マークも誕生しました。
江戸時代の中期・後期は、日本の人形の歴史上の黄金時代といわれています。
その時代、御所(ごしょ)人形であれ、雛人形であれ、匠(たくみ)の技が冴えわたりました。そして、多くの完成度の高い人形たちが世に生まれました。
その中でもとりわけ高貴な人形であったのが、御所人形です。
それは、宮中御所で愛され親しまれてきた人形です。
そのお顔は、丸くて目が細くておちょぼ口、その簡潔に省略された表情は、まさに、連綿(れんめん)と受け継がれた日本人の精神文化の心があらわれています。
そして、多くの御所人形たちの額には、おめでたい水引(みずひき)が描かれています。
すなわち、縁起のよいお使い物としても重宝されたことがうかがわれます。
この日本を代表する人形芸術の逸品とも言える御所人形をイメージし、その輪郭を墨の勢いで描き、額に水引をつけ、生命の誕生するエネルギーと、喜びを表現いたしました。
それが、歓喜マークです。 |
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子供の健やかな成長を願う「桃の節句」
節句とは季節の変わり目に行う行事のこと。
体調を崩しやすい時期であることからも、桃の節句や端午の節句に飾る人形には、子供の健やかな成長を願う家族の温かな思いが込められています。
3月3日は桃の節句。ひな人形を華やかに飾って、女の子の健やかな成長と幸せを祈る日です。
平安時代の中期に、宮廷の婦人や子供たちの間で行われていた「ひいな遊び」という人形遊びと、3月の初めの巳の日に無病息災を願って簡素な人形を川や海へ流した「流しびな」が結びつき、今日のひな祭りの行事となりました。つまり、ひな人形は、目を楽しませてくれる華やかな飾りとしてだけでなく、子供に災いや凶事がふりかからないよう、身代わりになってくれる大切なお守りなのです。
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ひな人形が伝える女の子への細やかな教育
ひな人形の飾り付けと片付けは、女の子がお母さんやおばあさんと一緒に行うのが昔からの習わし。
内裏雛、三人官女、五人囃子らの人形をはじめ、ぼんぼりや桜橘などの細やかな道具をひとつひとつ丁寧に扱うことで、物を大切にする心や整理整頓の教えを伝えてきたわけです。
「ひな人形をいつまでも飾っていると結婚が遅れる」といわれますが、これも「きちんと片付けができない女の子はいいお嫁さんになれない」という教えが部分的に強調されたもの。
ですから「3月中に片付けなくては…」と急ぐ必要はありません。
3月は旧暦で考えるとまだ桃の時期には早く、また、節目を祝う意味からいっても、春を告げる桜が花開く4月初旬まで飾っておいても遅くはないのです。
その方が華やぎがあり、人形たちも喜んでくれるのではないでしょうか。
節句の習わしや幼い頃の思い出を語りながら、親子で人形を飾り付け、片付ける。
そんな家族の微笑ましい光景は、きっと幼い子供の胸に刻まれ、またその子供へと伝えられていくでしょう。
家族の大切なコミュニケーションの場として、桃の節句や端午の節句を毎年お祝いしたいものです。 |
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